2019年3月9日に北見市で開催された北見医師会・北見医工連携研究会主催の第12回オホーツク医学大会において,北見医工連携研究会より北見医工連賞が授与されました.北見医工連賞は,若手研究者の医療工学研究の発展を目的に設けられたもので,研究テーマ「生理心理学に基づく潜在疲労と認知的注意を融合した路面評価モデルの開発」での需要となりました.本研究は,交通心理学で世界的に著名なパドヴァ大学(イタリア)の研究者らとの共同研究の一環として実施しているものです.受賞した研究では,北見工業大学が世界に先駆け実用化した路面評価型ドライビングミュレータを用い,一般参加者を対象とした走行試験結果に基づき,路面凹凸による精神的ストレスの蓄積により潜在疲労が生じることを生理学的に解明し,その結果として車両乗員の認知的注意が低下することを明らかにしました.これにより,工学的な路面凹凸の評価に対し科学的かつ合理的な解釈を与えることが可能となります.近年,人口構造ならびに社会基盤の急速な高齢化が社会問題となる一方で,北海道では道路交通によるドライブ観光の需要が増加しており,路面は重要な観光資源の一つともいえます.本研究成果は,日本の強みである人を中心としたきめ細やかな道路交通環境の発展的構築に大きく貢献するものと期待できます.
北見医工連賞