このたび、令和7年3月に卒業した吉田敬子さん(環境防災工学コース4年生,指導教員:富山和也准教授(いずれも当時))が、2025年1月25〜26日に室蘭工業大学を会場に開催された令和6年度土木学会北海道支部年次技術研究発表会において優秀学生講演者賞を受賞しました。この賞は,土木学会北海道支部年次技術研究発表会において土木技術や研究成果等について優れた講演を行ったと認められるものの中から選ばれるもので,今年度は学生投稿124編の中から20編が選ばれました。
本発表会において、吉田さんは「スーツケースハンドル部分の振動応答および利用者の心拍変動に基づく路面評価に関する検討」と題して発表しました.近年、日本国内における観光需要の増加を受け、歩行空間でスーツケースを持ち運ぶ旅行者のニーズにも対応した「歩きやすい」道路整備が求められています。吉田さんは、スーツケースハンドル部に生じる振動と、代表的な生理反応である心拍数から利用者のストレスに着目し,スーツケースを持ち運ぶ歩行者の視点から、路面特性と歩行快適性の客観的な評価を行いました。その結果、スーツケース利用者のストレス原因となる特定の路面凹凸成分を明らかにし、またスーツケースの種類による違いを示しました。
現在、特に伝統的建造物群保存地区において、景観的配慮を施した舗装整備の動きがみられ,本研究成果は周辺環境と調和した「歩きやすい」歩行空間の提供に寄与するものと期待できます。
講演題目
吉田敬子1,富山和也2:スーツケースハンドル部分の振動応答および利用者の心拍変動に基づく路面評価に関する検討,土木学会北海道支部論文報告集,Vol.81,E3-01,2025年1月.
1北見工業大学工学部地球環境工学科環境防災工学コース
2北見工業大学工学部社会環境系
発表の様子
表彰を受けた吉田さん
賞状