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JABEE

国立大学法人 北見工業大学

水環境工学 [水工学・水環境工学分野]

メンバー

研究コンセプト

現在,地球環境や自然環境が適切に保全され,現代から将来の世代のニーズを満たせる持続可能な社会の形成が国際的な目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とされています.また,環境と調和した安全な社会基盤づくりや循環型の社会システムの構築のため,水処理・水環境の研究分野は私たち人間の暮らしにとってますます重要になっています.例えば,従来からある水域の水質・水環境問題に加えて,地球規模の気候変動に伴う水資源不足や気候変動の緩和・適応策への水域生態系の利用・保全,森・川・里・海(いわゆる流域圏)のつながりと水産資源の保全,人間活動の拡大に伴う新しい化学物質による水質汚染問題,等々,多くの課題があります.本研究室では,水処理工学,環境工学,水工学,分析化学,生態学,情報科学,など様々な技術を開発・駆使して,以下のような水に関わる問題解決・対策提案のための研究を行います.
・河川・湖・海洋などの水質・水環境問題
・環境と調和した安全な社会基盤づくり
・地球規模の気候変動緩和と適応策,水資源問題
・世界的にも貴重な道東の水生生物・生態系の保全
・国内・海外における流域の水質汚染問題

研究概要

水や堆積物などに含まれる栄養塩,有機物,炭素・窒素,溶存イオン,レアアース,安定同位体,などを最新の分析装置で計測し,水環境や水域生態系の保全に役立てる研究をしています.例えば,積極的な栄養塩管理による森・川・里・海(いわゆる流域圏)のつながりの再生と海洋資源の保全,地球温暖化緩和・適応策(カーボンニュートラルなど)のための水域生態系の炭素固定機能(ブルーカーボン),道東におけるマリモ等の希少生物の生態解明や保全対策,釧路湿原などの寒冷地固有の環境保全と人為汚染の影響,河川構造物がサケ・マスなどの魚類や野生動物による物質循環に及ぼす影響,生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR:Ecosystem-based disaster risk reduction)などに関する研究をしています.

最新のコンピュータ技術を用いて水環境保全のための予測モデルや複雑な流域や沿岸域などでの水や汚染物質の動きをシミュレーションできるモデルの開発を行っています.例えば,水生植物(ブルーカーボン)による水中での炭素吸収・放出速度の予測モデルの開発,拡張性の高いオブジェクト指向型の流出モデルによる流域での汚染物質の拡散予測,機械学習を組み込んだ水域生態系モデルを用いた複雑な植物プランクトンの異常発生予測,最新の全球気候モデルを用いた気候変動による水資源リスクの予測,などの研究をしています.

世界自然遺産”知床”,わが国最大の湿地”釧路湿原”,渡り鳥の重要な飛来地である濤沸湖やコムケ湖,特別天然記念物”マリモ”で有名な阿寒湖,等をフィールドとした研究のほか,道内の河川や湖,全国各地の水域・沿岸域をフィールドとした共同研究も進めています.さらに,南米や北アフリカ,等,発展途上国をフィールドにした農業水資源や流域の重金属汚染対策の研究も行っており,道東発の研究成果を世界に発信したり国際協力に役立てることをめざしています.

研究テーマの例

(左)オホーツク沿岸潟湖における水生植物(アマモ)の繁茂状況(コムケ湖),(中央)オホーツク沿岸潟湖における水生植物分布と溶存有機炭素の現地調査(コムケ湖),(右)現地水域で採取された水サンプル中の溶存有機炭素の機器分析

(左)日本最大の湿原・釧路湿原(コッタロ展望台より),(中央)全球気候モデルによる21世紀末の降水量の将来予測結果(シミュレーション),(右)降水に伴う面源からの栄養物質(全窒素)の輸送・蓄積の予測結果(シミュレーション)

(左)阿寒湖・マリモ群生地での水草除伐調査(釧路市マリモ研究室・調査にて),(中央)巨大マリモの内部の空洞(釧路市マリモ研究室・調査にて),(右)阿寒湖・マリモ群生地での風向・風速観測(釧路市マリモ研究室・調査にて)

(左)渡り鳥の飛来地となる泥干潟での地形測量(コムケ湖),(中央)融雪に伴う陸域地下水位を計測するための観測井戸(コムケ湖),(右)オホーツク沿岸潟湖の河口周辺に集まる野鳥の群れ(コムケ湖)

(左)太平洋沿岸の乾燥地帯での灌漑農業(ペルー・イカ),(中央)乾燥地帯における点滴灌漑による農地(ペルー・イカ),(右)水資源の将来予測に関するセミナー(ペルー・ラモリーナ国立農業大学)

(左)重金属汚染河川における水質・流量調査(アルジェリア・ジェルファ),(中央)都市流域での重金属汚染の実態調査(アルジェリア・ジェルファ),(右)都市流域での鉛と水銀に対する水質規制前後の観測地点での濃度予測シミュレーションの結果(アルジェリア・ハラッシュ川,Bouragba et al., 2017)

(左)誘導結合プラズマ質量分析計(微量元素分析装置),(中央)知床東岸河川におけるカラフトマスの遡上と死骸(アイドマリ川)の現地調査,(右)知床東岸河川での遡河性魚類による微量元素輸送量の現地調査(モセカルベツ川)

(左)森林域小河川での水質・底生藻類の現地調査,(中央)連続流れ分析法による河川水中の栄養塩の定量分析,(右)厳冬期の結氷河川での水質と付着藻類の現地調査

研究施設・装置

イオンクロマトグラフ(ICS-1100, Thermo),オートアナライザー(QuAAtro 2HR BLTEC),誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS 7700x, Agilent),蛍光分光光度計(FP-6200, 日本分光),吸光分光光度計(U1900, 日立製作所),微量有機元素分析装置(2400II, Perkin Elmer),ゼータ電位粒径測定装置(ELSZ-1000, 大塚電子),全有機炭素計(TOC-L,島津製作所),原子吸光光度計(AA-6800F,島津製作所),ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS-QP2010,島津製作所),液体クロマトグラフ,多項目水質計(AAQ1182,JFEアドバンテック),不撹乱柱状採泥器,等(以上,共同利用施設を含む)

共同研究

学内では水環境に関連する研究社と連携してプロジェクト研究を行っています.学外では,北海道大学,東京農業大学,神戸大学,広島大学,島根大学,九州大学,等の大学,国土交通省や公的研究機関,民間企業,国外では,ラモリーナ国立農業大学(ペルー),クイーンズランド大学(オーストラリア),ONEDD(アルジェリア),等と共同研究を行っています.

研究・教育

テーマによって研究のアプローチはさまざまですが,フィールドワーク(現地調査),室内実験,機器分析,コンピュータによる解析などを通して研究を行います.フィールドワーク(現地調査)では河川,湖,湿原,水処理施設等に行って採水・採泥や機器を使った水質測定,生物調査,等を行います.室内実験では採取した試料の機器分析を行ったり,水処理の模型実験を行ったりします.コンピュータによる解析では,統計解析や数値シミュレーションを行います.学生は毎週のミーティングで研究指導を受けながら,文献調査,研究計画の立案,研究の進捗状況の報告,学生間での意見交換を行ったりします.本研究室ではグループで共同研究を進めることで,より多くのことを学び経験することが出来ます.大学院ではより専門的な研究を進めることができ,学部レベルでは学べないより高度な専門知識を身につけることが出来ます.また,国内外の学会発表を通じて,全国各地・海外の大学の学生や研究者と交流し,よりいっそう視野を広げることができます.さらに,ペルー,アルジェリア,オーストラリア,カナダなどのフィールドを対象に複数の国際共同研究も実施しており,留学生を受け入れたり,逆に共同研究先の海外の大学に留学したりするなど,国際共同研究を通じてグローバルな感覚を身に着けることも目指しています.

関係の深い授業科目

参考ページ

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